別府大学六次産業で生まれた本格焼酎「夢香米」にHACCP導入
厚生労働省により食品の品質保証の為、2020年をめどに食品事業者に対しての「HACCP」導入の義務化が進められています。
HACCPとはその食品の製造時に考えられる食中毒菌や異物等の混入危害を未然に防ぐための管理システムです。HACCPの導入にはその食品の全製造工程を書出し、全工程での衛生管理は当然ですが、その中で特に危害度が高いと思われる工程を拾い出し、その箇所を重点的に継続的に管理することが要求されます。このシステム導入により製造時に潜む危害要因の排除がより可能となります。
昨年度、大分県生活環境部食品安全・衛生課の「大分県HACCP推進事業」の一環で、発酵食品学科の学生を対象にした特別講義が開催されました。(講師:ロイドレジスタージャパン(株)今城敏氏ほか)この講義をきかっけに同科4年の堀田瑞稀さんが「食品安全ハザードの防除を実現する本格焼酎「夢香米」製造におけるHACCP導入」と題した卒業研究に着手しました。
対象とした商品は別府大学六次産業で生まれた本格焼酎「夢香米(ゆめ)※」です。堀田さんは、製造元である藤居酒造(株)、発酵食品学科の岡本啓湖教授と協議を重ね、酒造会社でのHACCP取得が少ない中、「夢香米」製造では短期間でのHACCP導入を達成し、更に藤居酒造(株)が、厚生労働省の「HACCPチャレンジ企業」に登録(2017年7月10日)することができました。堀田さんが中心となり発酵食品学科ではこれらの結果を、11月9日にタワーホール船堀(東京都江戸川区)で開催される「第113回 日本食品衛生学会学術講演会」にて発表するようにしています。
今後も発酵食品学科では、食品衛生管理者養成校として、学生たちにHACCPの専門的知識を習得させるとともに、県内企業のHACCP導入の支援にも力を入れていきたいと考えています。
写真右:藤居酒造(株)藤居徹社長(写真前列右)、ロイドレジスタージャパン(株)今城敏先生(前列左)、発酵食品学科岡本啓湖教授(後列左端)、橋口隆博氏(藤居酒造(株)総務部)、池見俊亮氏(発酵食品学科卒業生、藤居酒造(株))堀田瑞稀(後列右端2番目)、藤居酒造(株)藤居崇製造本部長(後列右端)
イラスト:発酵食品学科4年 内藤遥菜、堀田瑞稀
※本格焼酎「夢香米(ゆめ)」...本学の学生による「夢米棚田プロジェクト」が栽培した香り米を、発酵食品学科が2年間の研究開発の末、完成させた本格焼酎。平成28年4月21日より、大分香りの博物館で販売)
[投稿日:2017年10月24日]