大学学長メッセージ

地域へのつながりは、世界へつながる

飯沼 賢司
別府大学学長飯沼 賢司

別府大学は、学校法人としては111年の長い歴史を持ちますが、大学としては、敗戦の翌年、1946年に「真理はわれらを自由にする」という建学の精神を掲げて創設された別府女子専門学校(開学時の名称は別府女学院)がその直接の前身となります。

 「平成」という時代が終わり、新しい元号が始まります。戦後、不戦を誓い、平和を希求した時代から、今再び世界は理性を失い、感情が優先し、協調から孤立を選ぶ混迷の時代に突入しました。今こそ、本学の建学の精神が光を放つ時と考えられます。

 創設者佐藤義詮は、戦前、自由主義教育を標榜した文化学院大学部の第1期生として西村伊作、与謝野晶子・鉄幹らの薫陶を受け、教育の道に入りました。戦後、その精神を花開かせ、真の知性と普遍的な人間性をもった人間育成が新しい日本を創って行くという信念で開学をしました。

 2017年、大学はキャンパスの中心部に佐藤義詮記念館を創設しました。この建物には、「大学史展示室」があります。創設者佐藤義詮が亡くなってから、30年以上の歳月が流れました。ともに大学を創り上げ発展させてきたメンバーのほとんどが去り、大学は名実ともに新しい段階に入っています。しかし、別府という地方都市で掲げた高邁な建学の精神は今も不滅です。

 学生の皆さんは必ず一度は、この展示室を訪れてください。そこには、大分という地方から世界をめざそうとした創設者の「夢と情熱」、その精神を受け継いだ教員、学生の熱き思いがあふれ、それを必ずや共有できるはずです。大分には、三浦梅園や広瀬淡窓という優れた哲人、教育者がおります。佐藤義詮はこれら先学の精神も受け継ぎ、学び舎を築きました。

 大学の教育の目的は、人間形成です。それは社会で生きてゆくための知識の習得だけではありません。生きる力を磨くことが重要です。それは、人間と人間の関係の中で学ぶことです。別府大学は、地域社会との関係を重要視しています。学生は地域に学び、地域に育ててもらうと考え、地域社会に出て活動をします。その地域の延長上、世界があると考えています。これも人間と人間との交流です。地域へのつながりは、世界へつながるのです。

 私は学長として、次のような大学像を示したいと思います。まず、大学の伝統を踏まえ、学生や教職員がわくわくし、共に未来を語れる大学をつくることです。また、学生のみらならず教職員が切磋琢磨し、共に育つ「共育」を目指すことです。みなが誇れる大学を共につくり上げていきましょう。