コース概要
謎に満ちた日本の歴史を解明

日本史の教科書に記されていることは、歴史学者による古文書・古記録の解読、分析、検証を経て、はじめて記されます。大学で歴史を学ぶということは、このように歴史を記す作業の一端を担うということです。日本史・アーカイブズコースでは、日本史を幅広く学ぶとともに、近年注目されている文書館専門職(アーキビスト)を養成。文献・史料を精読する力をつけ、過去と現在、未来を考える視点を身につけます。謎に満ちた日本の歴史が、将来、あなたの研究によって歴史が書き換えられるかもしれません。
コースの特色
日本史を幅広く、そして深く
古代から現代まで幅広く学びます。とりわけ、中世の荘園、近世の城郭、幕末・維新史、そして近代地方政党史を深く研究します。
文書館専門職(アーキビスト)の養成
アーキビストは、古文書、公文書から音声映像、電子記録まで、文化遺産になる記録資料を保存・公開に携わる専門職です。本学「アーカイブズセンター」と連携し、アーキビストの養成を行っており、地方自治体の公文書館に卒業生を送り出しています。
私の大学生活
肌で感じる
中学・高校時代の歴史の授業、特にそのサイドストーリーがきっかけで日本史に興味を持ちました。1年の夏に、アルバイトとして参加した発掘調査で、教科書等に載っている古銭や磁器の皿が出土したときは、今まで「勉強」としてみてきた"日本史"が実は身近なものなんだと実感しました!
物をとらえる視点
大学での学びは"教科書の一行一行を検証していく"という感じです。様々な視点から"見る"という手法を学んだおかげで、今では日常的な事でも全てを鵜呑みにせず、「いや、待てよ」と考えるようになりましたね(笑)。
教科をまたいだ繋がり
高校時代は正直なところ「歴史」の教科が得意であれば十分だと思っていました。実際に大学で歴史を学び始めてからは、「国語(特に古文)」の力が必須だと痛感させられました。例えば「~べし」の訳にしてみても6 種類あります。日本史コースを目指している人は要チェックですよ!
研究室での活動
高校時代は歴史上の人物に興味がありましたが、大学では城郭の魅力にひかれ「日本城郭研究室」にも在籍しています。夏休みには研究室で四国・中国・近畿の城郭を巡り、研究の資料を集めています。"私の一押し"は大分県の岡城阯です!天守はありませんが、石垣の反りと紅葉のコントラストは一日中見ていても飽きません!!
教室を飛び出して
日本史の研究というと図書館や研究室に籠りっきりのイメージを持つかもしれませんが、実際には資料を集めに外へ出かけることもよくあります。卒論で大坂城を題材にするため、資料を求めて大阪府立図書館まで行ってきました。とても良い資料を見つけることができましたし、外に出ることで視野も広がります。
古文書を読み解く
日本史の講義では、5名程度のグループで古文書を解読していくものや、順番に当てられて一小節を訳していくものなど"古文書を読み解く"力が求められます。『古文書解読入門』や『くずし字解読辞典』等を使っての予習が大変です(笑)。大変ではありますが、好きなので自然と入ってくる感じですね。
学びの醍醐味
高校までの日本史では、「○○が□□を行った」という事柄を単純に覚えていく授業が多いと思いますが、大学では"実資料を読みながら、○○が行った□□の背景をみていく"という学びが中心となります。高校までに学んだ基礎を踏まえて、改めて自ら歴史を読み解いていく...まさに日本史の醍醐味です!
古典もいろいろ
古文書様式にもよりますが、「申請文書(漢文)」、「私文書(古文)」、「女性もの(古文)」、「近現代(古文)」という印象です。漢文といっても"日本の漢文"というか、読み方が特徴的なものが多くあるように思います。古典の知識がこれほど必要になってくるとは思ってもいませんでしたね(笑)。
文献から紐解く
奈良・平安時代が研究対象です。考古学にも興味を持っていたのですが、「物」から歴史を読み取る考古学では研究が難しいことから、「文献」から読み取る日本史を選択しました。この時代のイチオシは...やっぱり、平安京に遷都した桓武天皇ですかね(笑)。
講義ピックアップ
日本史特講2(日本中世史)
さまざまな中世史研究の流れをたどりながら、高校日本史の史料的・理論的な根拠を理解することを目的としています。
専門演習 1・2(日本近世史)
受講者全員が前期・後期にそれぞれ1回ずつ、興味のあるテーマ(個々の発表テーマは多岐にわたります)についてレジュメを作成して発表をします。
デジタルアーカイブズ
デジタルの知識や技術は勿論ですが、デジタル化が進行する社会で必須となる知的財産に関する知識も学びます。実際にデジタル撮影も行って実践力の向上も図ります。
アーカイブズ実習
江戸時代から明治・大正・昭和期の文書の整理方法を実践して身につけます。大分県公文書館での実習や、市町村の文書を実際に現地で調査することも行います。
履修モデル
1年
科目区分 | 科 目 | |
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教養科目 | 基礎ゼミ | ◎導入演習(史学・文化財) ◎基礎演習(史学・文化財) |
学際科目 | ◎大学史と別府大学 ◎キャリア教育Ⅰ ◎市民生活とアーカイブズ |
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コア1 | ◎文学 ◎哲学 ◎日本文化史 ◎心理学Ⅰ ◎体育実技Ⅰ ◎体育実技Ⅱ |
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コア2 | ◎法学(日本国憲法) ◎国際文化論1 ◎社会生活概論 | |
コア3 | ◎生物学 | |
コア4 | ◎情報リテラシーⅠ ◎情報リテラシーⅡ | |
コア5 | ◎英語1 ◎英語2 ◎TOEIC1 ◎TOEIC2 ◎中国語コミュニケーション1 ◎中国語コミュニケーション2 |
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専門科目 | 共通専門科目 | ◎日本史概論1 ◎日本史概論2 ◎世界史概論1(西洋史) ◎世界史概論2(東洋史) ◎考古学概論 ◎環境歴史学概論 |
2年
科目区分 | 科 目 | |
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教養科目 | 学際科目 | ◎インターンシップⅠ ◎ボランティア活動論 |
コア1 | ◎スポーツと健康 | |
コア2 | ◎社会学 ◎情報文化論 | |
コア5 | ◎英語3 ◎英語4 | |
外書講読 | ◎外書講読1 ◎外書講読2 | |
専門科目 | 共通専門科目 | ◎博物館概論 ◎デジタルアーカイブズ |
演習科目 | ◎発展演習1(史学・文化財学) ◎発展演習2(史学・文化財学) |
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学科専門科目 |
◎アーカイブズ論Ⅰ ◎アーカイブズ論Ⅱ ◎アーカイブズ管理論Ⅰ ◎アーカイブズ管理論Ⅱ ◎日本史講義1(古代史料論) ◎日本史講義2(中世史料論) ◎日本史講義3(近世史料論) ◎日本史講義4(近現代史料論) ◎史学概論 ◎歴史地理 |
3年
科目区分 | 科 目 | |
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教養科目 | 学際科目 | ◎キャリア教育Ⅱ |
外書講読 | ◎外書講読3 ◎外書講読4 | |
専門科目 | 共通専門科目 | ◎博物館学各論Ⅰ(博物館資料論) ◎博物館学各論Ⅱ(博物館情報論・経営論) |
演習科目 | ◎専門演習1(近現代史1) ◎専門演習2(近現代史1) |
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学科専門科目 | ◎博物館実習 ◎アーカイブズ実習Ⅰ ◎アーカイブズ実習Ⅱ |
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コース専門 科目 |
◎日本史特講1(古代史) ◎日本史特講2(中世史) ◎日本史特講3(近世史) ◎日本史特講4(近現代史) |
4年
科目区分 | 科 目 | |
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専門科目 | 共通専門科目 | ◎地方行政論 ◎地方自治論 |
演習科目 | ◎卒業演習1(近現代史1) ◎卒業演習2(近現代史2) | |
学科専門科目 | ◎国際交流論 ◎宗教史 ◎法制史 | |
コース専門科目 | ◎卒業論文 |