建学の精神

建学の碑:真理はわれらを自由にする
建学の碑
真理はわれらを自由にする
わたくしの教育理念
創設者 佐藤 義詮

大学は教授、学生をも含めた学問研究の共同体である。共同体といっても、思想や専門を異にする多数の教授と多数の学生がいる。主張も異なれば信念の違うのも当然である。

しかし、私立大学にはその建学の精神にのっとった学風があり、教育の方法があると思う。こういう前提のもとで私は大学存在の意義を考える。

今日大学の教育は必ずしも高度の研究を目的としないというのが通説であるが高等普通教育に課せられた問題の一つは、より高き教養、社会人としての生活によりよく、より多く寄与することのできる人間の育成である。

人間というこの複雑な対象は、それが複雑であるが故に、複雑な社会に対応する教育を必要としているものである。大学を一つの単純な共同体として考えるとすれば各人が専攻している学問に対する研究の意欲が、大学の価値を決定するであろう。

さらに、このことは私の大学の建学の精神としている「真理はわれらを自由にする」ことに出発する。真理と自由の原則は今日の社会情勢に対しては、はなはだ誤解や曲解をまねきやすいが、その基本的な問題は私立大学における大学という理念の欠如による。

自由は人間性の尊重であり、真理の探究は学問の最終目標でなければならない。その具体的方法は、あるいははなはだ困難であるが、困難であることによって、大学教育の価値もまた高められるであろう。