コース概要
アートで「自己プロデュース力」を身につける
芸術表現コース」は芸術を「創る・知る・考える」教育で自己プロデュース力(芸術のスキルと教養によって自分を表現する力)を身につけ、実技系のマンガ、映像・アニメーション、デザイン、絵画と、理論系の美術史(美術の歴史)、言語文化とで専門家を目指す人はもちろん、芸術に関心を持ち、社会で活躍する人材を育てます。
コースの特色
文学部で学ぶアートの重要性
アートはいま社会のなかで理系でも重要な能力を育む分野と考えられています。本学では、全国でも珍しく文学部のなかに置かれた実技系と理論系の芸術コースです。そのため、通常の芸術系よりも、文学部の根幹となる文学や歴史などを広く深く学ぶことができます。そのような学問的な広がりによって芸術制作の幅も広げることになります。「芸術表現コース」は芸術の専門と文学部の専門の両方を取り入れた欲張りなコースです。
3年次の「領域」選択で芸術の専門性を身につけます
「芸術表現コース」では3年次に「実技系」と「理論系」の領域について、専門性を深めたい分野について領域の選択をします。 実技系には「マンガ」「デザイン」「映像・アニメーション」「絵画」の4領域が、理論系には「美術の歴史」「文化」「言語文化」の領域があります。学生は各領域の基礎を学び、その後、専門とする領域の探究を通して、芸術を「想像する力」と「解釈する力」を身につけます。
美術教員(中学一種、高校二種)、学芸員、司書が取得可能
私の大学生活
映像・アニメを選択した理由
私は高校卒業直前まで「自分のやりたいこと」というのが全くわかりませんでしたが、そんな時にもともと好きだったゲームや曲のミュージックビデオのアニメーションの魅力に惹かれました。芸術に関しては全くの未経験だったため、基礎から総合的に学ぶことができるとのことでこのコースに入りました。3年次に専門の領域選択がありますが、その際に見てくれる人に多くの情報を様々な表現で伝えることができ、将来的にも多くの技術を習得し生かすことができると考え、映像・アニメーションの領域を選択しました。
様々な経験ができるコース
芸術関係の授業では、業界で一般的に使われているPCソフトを使用するものがあります。慣れるまでは難しいと感じましたが、回数を重ねるごとに自然と使えるようになりました。また、地域貢献としてシャッターアート制作や企業のイベントで似顔絵をプレゼントする企画などにも参加。数年前まで絵すら描いていなかった私が、絵を通して地域の方々に大変喜んでいただくことができたのです。このような体験から芸術は直接的に人の心を動かすことができることを知り、曖昧だった自分の将来像が少しずつですが形になっていると実感しました。
自分時間の有効活用
大学に入って芸術を学ぶだけでなく、資格取得や大学だからこそできることにも挑戦しています。以前から興味のあった司書資格は司書課程という形で学んでおり、ほかにも自分の作品や活動、将来的なことを見据えて色彩検定やTOEICの資格取得に挑戦しています。
また、私の弱みであるコミュニケーション能力の低さや経験不足を克服したいと思い、学校内での諸活動やアルバイトなども積極的に行っています。大学という自分の時間を最大限に使える場所だからこそやってみようという気持ちもあり、少し大変だと思う時もありますが楽しんで活動しています。
確実なレベルアップ
このコースでは自分の能力を確実に伸ばすことができます。理由は二つあります。
一つ目は、先生方が学生の長所だけでなく欠点、そして性格を熟知したうえで指導してくださることです。その学生のやりたいことや好きな表現を尊重し、それらを伸ばす指導やアドバイス、実現のための明確な課題や目標を示してくださるおかげで自分にはない新たな表現に気づくことができます。
二つ目は、同じ絵画領域で学ぶ同級生たちからも学ぶ場があることです。私は高校時代にも美術を学んでいましたが、大学では入学後に絵画を学び始めた人が多く、作品制作を通して自分では思いつかない表現や発想にふれる機会を多くもつことができています。それは私にとって大きな刺激となり、高校時代と比べて表現の幅が広がりました。そのような環境から、私はこれまでにない自分の表現に挑戦することができています。
自分と違うことを楽しむ
同じ絵画領域に所属している同級生はみな多彩な趣味を持っており、同じ専攻でもそれぞれの価値観や好みの違いを話すことはとても楽しいです。私の友人は絵を描くこと以外にも釣りを趣味にしており、その趣味の経験を生かして制作をしています。色使いや表現が私には思いつかないような発想なので、とても見ていて楽しく、私自身彼の表現を参考にすることもありました。そういった「ひと味違う」同級生とふれあい、共に作品を制作できることが私にはとても良い刺激となっています。
教師を目指して
父が教員なので、私も美術教員をめざしてこのコースに入学しました。絵画ではアカデミックな人物デッサンや静物デッサン、油彩画、素材演習などをとおして徹底的に基礎を学び、現在は自分の創作に取り組んでいます。
将来について(卒業後について)
大学3年生になりいよいよ本格的な就職活動が始まりましたが、自分が将来どんなことをしたいかなど全く思いつきません。悩んでいる時に韓国の学生と交流する「国際マンガワークショップ」に参加し、「国際交流できる仕事に就きたい」という目標を見つけることができました。求人票を細かく見ていると、ある旅館が「韓国のお客様を中心に海外からも多数宿泊いただいています」と書いていて興味を引かれました。別府は観光地なので旅館やホテルはたくさんあります。その中でこの旅館を選んだ理由は求人がレストランのホールスタッフだったこと。提供する食材の説明や、お客様と直接会話をすると書かれていて「日本人はもちろん、韓国その他海外の観光客と交流できるところがいいな」と思い、この業界で働きたいと思いました。
大学でマンガを学ぶという事について(別府大学にて)
芸術表現コースでは絵画や映像などいろいろな種類の芸術について学ぶことができますが、私が「マンガ領域」を選択した理由は美術解剖学を学びたかったから。「美術解剖学は絵画のほうが学べるんじゃないの?」と思う人が多いと思いますが、あえてマンガ領域を選んだのは絵画よりもイラストを学びたいと考えたからです。
もともとイラストを描いていたということもありますが、大学入学後に授業でマンガや絵画をひと通りやってみて「やっぱり私はイラストを描きながら解剖学について学びたい」と思ったのでマンガ領域を選択。そこで筋肉と骨のバランスなどについて学び、骨格を意識していない1年の頃のイラストと現在のものを見比べてみると明らかに画力が上がっています。自分の成長が目に見えてわかるのはとても嬉しいなと思いました。
別府大学で経験出来た芸術活動について(国際マンガワークショップ、駅プロ)
別府大学に入学したことで様々な芸術活動を経験することができました。特に印象に残っているのは韓国の学生と互いに作品発表をした「国際マンガワークショップ」です。
作品発表で韓国の学生が描いた作品を見て日本とはまた違う視点に気づき、学ぶべきところもたくさんありました。また交流期間中に行われた食事会もとてもいい経験だったと思います。私は韓国語が全くわからないので韓国の方と会話をしたこともなければ、海外の方と食事をしたこともないので初めは不安な気持ちでいっぱいでしたが、スマホの翻訳機能を使って会話をすると同じ趣味や好きなアニメの話で盛り上がり「食事会の時間だけじゃ話し足りなかった」と思うくらい仲を深めることができました。
食事会前は「国際交流=緊張する。言葉の壁があるから親しくなれない」と考えていましたが、食事会後は何人かの学生と親しくなり、「自分の伝えたいことが相手にちゃんと伝わるとこんなに嬉しい気持ちになるんだ」と感動しました。国際マンガワークショップに参加したことで国際交流への考え方が変わりとてもいい経験をしたと思いました。
講義ピックアップ
デッサンⅠ・Ⅱ
鉛筆はカッターで削る!
デッサンはすべての造形表現の基礎となるものです。単に対象の表面の描写ではなく、形態、量塊、調子、動勢を観察し、対象の持つ空間感や画面での構成力を培います。
マンガメディア表現
大学でマンガを描こう!
オリジナル・ストーリー創出のための企画力・発想力・構成力を高めます。時系列表や地図図解による情報整理は、一般のオフィスワークにも大いに活用できますよ。
CG演習Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ
デザイン、映像・アニメーション領域科目
AdobeソフトのillustratorやPhotoshopの操作方法について学びます。
美術史概論
美術作品から歴史や心理を読む!
美術作品は感性を揺るがす栄養素ですが、様々なことを凝縮した過去の史料でもあります。作品を作る人はもちろん、幅広く興味がある人向きの学問です。自由な発想によって歴史や心理を読み、楽しく教養として身につけてください。
履修モデル
1年
科目区分 | 科 目 | |
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教養科目 | 基礎ゼミ | ◎導入演習 ◎基礎演習 |
学際科目 | ◎大学と別府大学 ◎キャリア教育 | |
コア1 | ◎哲学 ◎日本文化史 ◎スポーツと健康 | |
コア2 | ◎文学 ◎歴史学 ◎日本文化史 | |
コア3 | ◎法律学 ◎経済学 | |
コア4 | ◎情報リテラシー ◎生物学 | |
コア5 | ◎英語 ◎中国語 ◎韓国語 | |
専門科目 | 専門基礎科目 | ◎デッサンI・Ⅱ ◎マンガ基礎技術I・II |
芸術系 | ◎芸術表現I~IV ◎マンガ概論 ◎アニメーション概論 |
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人文系 | ◎美術史概論 | |
芸術表現科目 | ◎CG演習Ⅰ・Ⅱ |
2年
科目区分 | 科 目 | |
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教養科目 | 学際科目 | ◎九州学 ◎温泉学概論 |
コア1 | ◎社会生活概論 | |
コア2 | ◎心理学 ◎世界文化史 | |
コア5 | ◎英語3 ◎韓国語 | |
専門科目 | 専門基礎科目 | ◎キャラクター制作 ◎映像・アニメーションI・II ◎カラーイメージデザインI・II ◎絵画技法I・II ◎西洋美術史概論 ◎比較文化論I・IIなど |
演習科目 | ◎発展演習1(芸術表現コース) ◎発展演習2(芸術表現コース) |
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芸術表現科目 | ◎絵画実習Ⅰ・Ⅱ |
3年
科目区分 | 科 目 | |
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専門科目 | 演習科目 | ◎専門演習1(芸術表現コース) ◎専門演習2(芸術表現コース) |
芸術表現科目 | ◎デジタル背景制作I・II ◎3DCG演習I・II ◎芸術専門I~IV ◎グラフィックデザインI・II ◎絵画実習III・IV ◎比較文化特論I ◎言語文化特論I・IIなど |
4年
科目区分 | 科 目 | |
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専門科目 | 演習科目 | ◎卒業演習1(芸術表現コース) ◎卒業演習2(芸術表現コース) |
コース専門科目 | ◎卒業制作 ◎卒業論文 など |