トピックス

「地域社会フィールドワーク演習」で映画『野火』を鑑賞

「地域社会フィールドワーク演習」で映画『野火』を鑑賞

 8月16日、「地域社会フィールドワーク演習」(担当:大坪史人講師)の一環として、別府の老舗映画館である別府ブルーバード劇場(以下、ブルーバード)にて、映画『野火』の上映会に参加しました。
 今回は「別府の町と文化を知ろう」をテーマに演習が行われました。ブルーバードは、戦後1949年に別府駅前に創立した歴史ある映画館です。全国的にミニシアターが減少する中、90歳の岡村照館長が、別府に映画の灯を灯し続けています。ブルーバードでは毎年、終戦記念日に合わせて塚本晋也監督の『野火』の上映会を行っています。『野火』は、大岡昇平の戦争体験を基にした同名小説を映画化した作品です。2次世界大戦末期、フィリピンのレイテ島で空腹と孤独と戦いながら島内をさまよう田村一等兵(塚本監督自身が演じています)の極限状態の中での人間の狂気が描かれています。映画を通じて戦争について考えほしいという岡村館長の想いから、学生と教員13名がブルーバードを訪ね、『野火』上映会に参加しました。
 映画上映後、オンラインで会場と塚本監督を結び、座談会も行われました。塚本監督は、学生が観に来たことを喜んでおられました。『野火』は戦後70周年と時を同じくして公開され話題になったのですが、70年を経て戦争の記憶が忘れられていると塚本監督は感じているそうです「毎年『野火』を上映してもらえて嬉しい。若い人たちに『野火』を観てもらい、これからの未来について考えてほしい」と学生たちに話してくれました。また戦争を体験した岡村館長も「別府は戦火を逃れたけれど、B29が飛んでくるのはすごく怖かった」と戦時中の思い出を語ってくれました。
 学生たちには、胸にどしりくる内容だったと思いますが、戦争について考え、語り合う
ことの大切さを感じてもらいたいと思います。

IMG-1260.jpgのサムネイル画像【学生の感想:発酵食品学科2年多川優也さん】
食料や物資の補給が滞った戦場で、敵の攻撃だけではなく飢餓や野戦病院でまともな治療を受けることができない兵士の目線で描かれており、これまでの戦争映画とは別の角度から戦争の悲惨さを知ることができました。平和の大切さ、不自由なく食べれる事の感謝を忘れずにこれからを生きて行きたいと感じました。




 

[投稿日:2021年9月 2日]