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【人間関係学科】「高校生のための心理学講座」を開催しました

【人間関係学科】「高校生のための心理学講座」を開催しました

 2019年9月8日に、別府大学で「高校生のための心理学講座」を開催しました。高校生や保護者等を含め、約50人の方々にご参加いただきました。この講座は心理学に関する誤解や偏見を解き、高校生に心理学が実証に基づいた科学的な学問であることを知ってもらうものでした。今回は脳科学からみた「こころ」の話から始まり、ダイエットや睡眠と心理学のような身近な話題から、統合失調症といった病気にどう立ち向かうかについても講義が行われました。
 ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。アンケートにご記入いただきました質問について、下記の通りご回答いたします。

 Q1.岩野卓先生(大分大学)への質問
 ダイエットの心理学、とても興味深かったです。嫌なことがあったりすると、お菓子をドカ食いしたくなったりするのですが、「食」への依存を他のことに代用出来ますか?オススメの方法があったら教えて頂きたいです。

 A.岩野卓先生からの回答
 この度はダイエットの心理学についてのご質問ありがとうございます。
 嫌なことがあったりすると、お菓子をドカ食いしたくなるのですが、「食」への依存を他のことに代用できますか?というご質問ですが、結論から言うと恐らく可能です。
 まず嫌な事があった時のドカ食いですが、これはストレス発散の1つです。
 別の方法でストレス解消をすれば、食べなくて済みます。オススメは運動するか、友達や家族に愚痴ることです。お風呂に長湯しても良いでしょう。
 食べたい衝動は一時的なものなので、しばらく時間が経てば衝動は弱くなります。
 上手にストレスと付き合って、健康的な生活習慣を身につけられて下さい。


 Q2.岡村尚昌先生(久留米大学)への質問
 子どもの早寝早起きの大切さを改めて感じることができました。20代の理想の起床時間、就寝時間と睡眠時間とその理由を教えて頂きたいです。

 A.岡村尚昌先生からの回答
 貴重なご質問ありがとうございました。
 理想的な睡眠時間は個人差がありますので、「これだけの時間寝れば良い!」と明確な時間をお答えするのは非常に難しいです。しかしながら、多くの研究や調査から、20代では1日6.5~7.5時間(6~8時間と表現されることも多々あります)の睡眠が心身に最も良いと考えられています。これはアメリカで行われた100万人を対象に6年追跡調査した大規模研究においても証明されています。その研究では、6年後に病気で亡くなった割合が最も少なかったのは、1日の平均睡眠時間が7.5時間の人々でした。一方で、習慣的に1日3~4時間しか寝ていない人は、7.5時間睡眠の人たちに比べて死亡率が1.3倍も高かったという結果でした。
 また、睡眠時間は長ければ良いということでもありません。1日平均睡眠時間が10時間以上人は、1日平均7時間睡眠の人と比べて心臓発作と心血管疾患のリスクが高まることも示されています。次に理想的な就寝、起床時間ですが、一般的に午前0時~午前6時の時間帯が睡眠の質が高まると言われています。これはメラトニンという睡眠にとても大事なホルモンの働きと関連していると考えられています。ですから、この時間帯をカバーする睡眠習慣がベストだと思います。

 

[投稿日:2019年10月 2日]