真摯に学び大いに友と語らい豊かな学園生活を送りましょう

　別府大学、別府大学短期大学部は大分県の中部、別府市に所在しています。本県は、九州の東に位置し、海山の豊かな自然と歴史的伝統文化の恵みを受け、篤実な県民性を育んできました。とりわけこの別府の地は、前に別府湾、後ろに由布・鶴見の連山を備えた、温暖で風光明媚な国際温泉都市です。学生さんがキャンパスライフを送るには最適の土地がらと言えます。
　このような恵まれた環境の中で、大学は1950年に開学し、今年で75年、短大は1954年に開学し、71年の歴史を有しています。この間、大学は人文・社会・自然科学の3分野にわたる3学部6学科、短大は食物栄養・幼児教育分野の2学科を擁し、教養・専門・免許資格等の教育を通して、多くの有為な人材を社会に送り出してきました。
　今年（2025年）、このような本学の歴史に新しいページが加わりました。少子高齢化が進む今日、医療看護・福祉分野の人材養成は日本社会の喫緊の課題です。このような社会情勢を踏まえ、本学は今年4月に看護学部看護学科を別府医療センター敷地内に開設しました。看護学部は医療センターとの連携を背景に、最新のシミュレーション教育と充実した実習体制のもとで、実践力に富んだ看護人材（看護師・保健師）を養成し、地域社会の期待に応えて行きたいと思います。
　このような教育の基礎となる理念が、「真理はわれらを自由にする」という建学の精神です。建学者佐藤義詮先生は、先の戦争で自由と真理がないがしろにされた歴史に鑑み、戦後、本学の門をたたいた若者にこの理念を説きました。この建学の精神は時代を超えた普遍性をもっていますので、今日なお本学の教育を支える考え方となっています。
　さて、近年、「気候変動」・「コロナ禍」・「ウクライナや中東の紛争」など、これまでの社会のあり方や国際秩序を大きく揺るがす出来事が起こっています。このようなパラダイムシフトの時代にあって、私たちに求められるのは、真実を正確に見極め、将来を展望する洞察力と、信念に基づいて行動する逞しさです。学生の皆さんには建学の精神に裏打ちされた本学の教育のもとで、そのような力を培い、変化極まりないこれからの時代を生き抜いていただきたいと思います。
　大学の4年間あるいは短大の2年間は、もっぱら勉学とキャンパスライフに時を費やすことができる、人生唯一の機会です。真摯に学問に取り組み、学友との交友を重ね、多くの思い出を作っていただきたいと思います。失敗を恐れず、大いに皆さん方の可能性を試し、伸ばしてください。私たち教職員はそれを全力で支援します。