「誰かの力になれる仕事がしたい」「人と関わりながら社会に貢献したい」
そんな思いを持つ方に、社会福祉士という資格があります。
社会福祉士は、高齢者や障害のある方、子どもや家庭などさまざまな困難を抱えた人たちに寄り添い、安心して暮らせるよう支援する国家資格です。
福祉の現場はもちろん、医療、教育、行政など幅広い分野で活躍できる専門職として、近年ますます注目が高まっています。
この記事では、社会福祉士の資格とは?取得までの流れや国家試験の合格率、そして仕事の魅力についてわかりやすく解説します。
将来の進路に福祉を考えている方、資格を活かした仕事を目指したい方は、ぜひ参考にしてみてください。
社会福祉士とは
社会福祉士は、福祉や医療、教育などさまざまな分野で活躍し、生活に困難を抱える人々の支援を行う専門職です。
社会の多様化に伴い、さまざまな悩みや困難を抱える人が増える中、社会福祉士の役割はますます重要になっています。
例えば、高齢者の介護や障害者の自立支援、子どもの虐待防止や生活困窮者のサポートなど、社会福祉士が関わる現場は多岐にわたります。どんな現場でも「人の力になりたい」という気持ちが原動力となる仕事です。
社会福祉士は、相談援助のプロフェッショナルとして、本人や家族、関係機関と連携しながら最適な支援を提供します。
具体的な仕事は、福祉施設、福祉事務所や病院、学校、地域包括支援センターなどで、相談業務や支援計画の作成、関係機関との調整など。
社会福祉士の存在によって、多くの人が安心して暮らせる社会づくりが進められています。
社会福祉士の資格
社会福祉士は国家資格であり、資格取得のためには、決められたルートで受験資格を得て、国家試験に合格する必要があります。
ここでは、社会福祉士の資格取得ルートや国家試験について詳しく解説します。
資格取得の主なルート
社会福祉士の国家試験を受験するためには、主に次のようなルートがあります。
福祉系大学等ルート(4年制)
福祉系の4年制大学や大学院等で「指定科目」を履修・卒業すれば、すぐに受験資格を得られます。
進学時から社会福祉士を目指す場合、最もオーソドックスなルートです。
福祉系短大等ルート(2年制・3年制)+実務経験
福祉系短大や専門学校で指定科目を履修・卒業した場合、2年制なら2年以上、3年制なら1年以上の相談援助実務経験が必要です。
一般大学卒業+養成施設ルート
一般の4年制大学を卒業した場合は、社会福祉士養成施設(一般養成施設)で1年以上学ぶことで受験資格を得られます。
通信制や夜間のコースもあり、働きながら学ぶ人も多いです。
実務経験+養成施設ルート
児童福祉司や身体障害者福祉司など、一定の実務経験(4年以上)がある場合、短期養成施設等で6か月以上学ぶことで受験資格を得ることも可能です。
社会福祉士は、学歴や職歴に応じて柔軟に目指せる資格です。
社会福祉士国家試験の合格率
2025年に実施された第37回社会福祉士国家試験の結果は以下のようになっています。
受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
---|---|---|
27,616人 | 15,561人 | 56.3% |
また、各ルートごとの受験者数・合格者数・合格率(新卒・既卒別)は以下のとおり。
新卒 | 既卒 | |||||
受験者数 | 合格者数 | 合格率 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 | |
福祉系大学等ルート (福祉系大学等) | 7,835人 | 5,891人 | 75.2% | 7,236人 | 2,588人 | 35.8% |
福祉系大学等ルート (福祉系短大等+実務経験) | – | – | – | 1,140人 | 411人 | 36.1% |
短期養成施設等ルート | 791人 | 537人 | 67.9% | 1,026人 | 376人 | 36.6% |
一般養成施設等ルート | 4,876人 | 3,905人 | 80.1% | 4,712人 | 1,853人 | 39.3% |
出典:厚生労働省発表資料「第37回社会福祉士国家試験合格発表」より
進路や学習スタイルによって合格率に違いがありますが、しっかり準備すれば合格は目指せます。
試験に向けては、計画的な学習と実践的な経験の積み重ねが大切です。合格を目指して、一歩ずつ着実に準備を進めていきましょう。
国家試験の概要と合格後の流れ
社会福祉士になるためには、年に1回(例年2月)実施される国家試験に合格しなければなりません。
試験内容は、社会福祉の基礎知識から、相談援助の実践、関係法規まで幅広く問われます。
合格後は、社会福祉士登録申請を行い、正式に社会福祉士として認定されます。
その後、福祉事務所や医療機関、教育現場、地域包括支援センターなど、さまざまなフィールドで働くことができます。
資格取得のメリット
社会福祉士の資格を取得することで、以下のようなメリットがあります。
専門的な知識と技術の習得
福祉や医療、教育などの分野で活躍するための専門的な知識と技術を習得できます。
多様な就業機会
福祉施設、社会福祉協議会、福祉事務所、病院、学校、地域包括支援センターなどさまざまな職場で活躍できます。
社会貢献
生活に困難を抱える人々の支援を通じて、社会に貢献できます。
社会福祉士の魅力
社会福祉士の資格を取得すると、どんな未来が広がるのでしょうか。
社会福祉士ならではのやりがいや魅力について紹介します。
人の人生に寄り添い、支える仕事
社会福祉士の最大の魅力は、「人の人生に寄り添い、支えることができる」点です。
例えば、家庭の問題で悩んでいたある高校生が、スクールソーシャルワーカーに相談したことで心の整理ができ、前向きに進学を目指せるようになったというケースがあります。
また、高齢の方が、地域包括支援センターの社会福祉士と話し合いながら必要な介護サービスを整え、自宅で安心して暮らし続けられるようになった例もあります。こうした支援が、その人の「人生を変える力」になることもあるのです。
活躍の場が広く、将来性がある
また、社会福祉士は専門性の高さから、福祉分野[1] だけでなく医療や教育、行政など幅広い分野で活躍できます。
例えば、病院では医療ソーシャルワーカーとして患者や家族の不安を解消し、学校では子どもの貧困やいじめ問題への対応に携わることもあります。
社会の変化に合わせて支援のニーズは広がっており、多職種との連携が必要な現場でも、社会福祉士の役割は大きくなっています。
一生使える資格でキャリアアップも可能
社会福祉士は国家資格であり、生涯を通じて活用できる専門性の高い資格です。そんな社会福祉士の資格はキャリアアップにもつながります。
福祉施設の管理職や行政の福祉担当、大学や専門学校での教員など、経験を積むことで新たなステージに進むことも可能です。「人の役に立ちたい」「社会に貢献したい」という思いを形にできる仕事と言えるでしょう。
まとめ
社会福祉士の資格は、専門的な知識と実践力を身につけ、社会のさまざまな課題に向き合うプロフェッショナルの証です。
もちろん、資格取得には学びや試験といったステップがありますが、それを乗り越えた先には、たくさんの人の人生を支えるやりがいと、多様なフィールドで活躍できる未来が待っています。
もし、「人と関わる仕事がしたい」「誰かの役に立つ仕事がしたい」と感じているなら、社会福祉士という道は、きっとあなたの思いと重なるはずです。
別府大学の文学部 人間関係学科・社会福祉領域では、社会福祉士を目指す学生のために、現場で必要とされる知識と実践力をバランスよく身につけられるカリキュラムが整っています。
社会福祉士の国家試験受験資格の取得が可能で、卒業生は病院、福祉施設、学校現場、行政など、さまざまな場所で専門職として活躍しています。
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別府大学の学びやキャンパスの雰囲気を知ることで、将来のイメージがよりはっきりと見えてくるでしょう。
社会福祉士の資格は、これからの社会でますます必要とされる大切な存在です。
この進路は、自分自身の未来を豊かにするだけでなく、地域や社会にとっても、かけがえのない力となるでしょう。