本学における研究活動を通して生み出されてきた学知のなかには、その学術的な価値に比して認知度が低く、埋没してしまっている貴重な成果が少なからずあります。そうした過去の成果に光を当て、誰もが活用できる環境を整えることは、学問の発展に大きく資するものでしょう。
本オープンエデュケーションルームにおいて今回発信するのは、1984年から1995年にかけて別府大学附属図書館が刊行した史料集、渡辺澄夫編『豊後国荘園公領史料集成』(全12巻)です。
この史料集は、かつて本学史学科(当時)に在籍された渡辺澄夫先生が豊後国内に点在した荘園・公領ごとの文献史料を収集、編年順にまとめなおしたもので、豊後の地域史を学び研究するうえで不可欠の文献です。しかしながら、第1巻の刊行からすでに40年近くが、最終巻の刊行からも四半世紀以上が経ち、元来の刊行部数が多くなかったこともあって、その重要さに比して必ずしも認知度が高いとは言えませんでした。また現下の厳しい出版事情に鑑み、今後再刊される可能性も低いと考えられたことから、全文のデジタル化公開に踏み切りました。国東半島を中心として、長年にわたる荘園村落遺跡調査の蓄積がある豊後国の荘園・公領研究にぜひお役立てください。
公開にあたっては、単に書籍をスキャンして画像データを作成するだけでなく、利用者の便宜を考えOCR処理※を施し、簡単な語句検索をできるようにしました。関連して、荘園・公領別で文献目録データの作成を現在進めており、順次公開を進めていく予定です。
渡辺澄夫編,別府大学史料叢書第1期〔1984.12, 別府大学附属図書館〕
渡辺澄夫編,別府大学史料叢書第1期〔1985.9, 別府大学附属図書館〕
渡辺澄夫編,別府大学史料叢書第1期〔1986.9, 別府大学附属図書館〕
渡辺澄夫編,別府大学史料叢書第1期〔1987.10, 別府大学附属図書館〕
渡辺澄夫編,別府大学史料叢書第1期〔1988.12, 別府大学附属図書館〕
渡辺澄夫編,別府大学史料叢書第1期〔1989.12, 別府大学附属図書館〕
渡辺澄夫編,別府大学史料叢書第1期〔1989.12, 別府大学附属図書館〕
渡辺澄夫編,別府大学史料叢書第1期〔1990.10, 別府大学附属図書館〕
渡辺澄夫編,別府大学史料叢書第1期〔1991.9, 別府大学附属図書館〕
渡辺澄夫編,別府大学史料叢書第1期〔1992.8, 別府大学附属図書館〕
渡辺澄夫編,別府大学史料叢書第1期〔1993.10, 別府大学附属図書館〕
渡辺澄夫編,別府大学史料叢書第1期〔1994.5, 別府大学附属図書館〕
別府大学史料叢書第1期〔1995.9, 別府大学附属図書館〕