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光と視線に還元された純粋美―「長浜桂子展」開催のお知らせ

光と視線に還元された純粋美―「長浜桂子展」開催のお知らせ

 IMG_0890.jpeg大分銀行本店2階画廊フロアで、長浜桂子先生(文学部国際言語文化学科非常勤講師)の個展が開催中です。長浜先生は、芸術表現コースで、絵画や造形演習を担当しています。
 長浜先生は、これまで闇の世界を希求する作品を制作しています。今回はこれまでの作品に加え、新作が展示されています。素材は透明なストロー。ストローの素材をつかって、光の変換を自由に表現します。集積された透明なストローは光を受けて白い塊を作り出し、まるで空に浮かぶ雲のようなマクロな層を表出します。しかし作品の正面に立つと鑑賞者に新たな視点が生まれ、それによってあたかも顕微鏡で覗き込んだかのように、ストローの集積の奥に隠れた光を受けて、ストローは蜂の巣のようなミクロな面の集合体を生み出します。そこには、西洋のルネサンス以来の遠近法のように視点が限定されますが、しかし長浜先生は、美術作品の根源に作用する人間の不安定な「視線(錯覚)」に注目し、さらに素材の持つ性質を、モノと光の反射や吸収の関係に置き換えて、何気ない素材をアートに変えています。何度見ても、作品はストローの存在を忘却させ、美しさだけを鑑賞者に与えます。これまでに見たことのない作品です。ぜひ足を運んでその美しさを体感してみてください。

「長浜桂子展」
日時:2021年1月14日〜3月19日
   月曜日〜金曜日 9時〜15時(最終日14時)
場所:大分銀行本店2階画廊フロア(大分市府内町)

展評が大分合同新聞に掲載されました。
 大分合同新聞 2021年2月13日(土)6面
 「多面的、ファジーな感覚  大分市で「長浜桂子展」汐月顕さん展評」


【作品タイトル】
(上)黒い風景:けしき2014
(下)集積ストロー:Decker2021

 

[投稿日:2021年3月 4日]