国の重要文化的景観選定10周年記念
2020.10.22

写真展 「田染荘のトンボ -トンボの眼 さくらの眼―」

田染荘 ー心の原風景-

 大分県豊後高田市にある田染荘(たしぶのしょう)は、2010年8月5日、国の重要文化的景観に選定されました。それは、中世の荘園風景を残し「景観の国宝」と呼ばれる田染荘がその文化財的価値を世に知らしめた瞬間でした。選定の過程で注目されたのは、美しい農村景観と人々の生活、そして生き物との共存、すなわち生物多様性です。2013年には世界農業遺産に認定されました。2016年には小崎地区の里山が重要文化的景観に追加選定されました。2020年3月には大分県の「おおいたの重要な自然共生地域 ( 愛称 : 未来につなごう!多様な生きものをはぐくむ場 )」に里地・里山の分類で選定され、その説明文には「50 種類以上のトンボが確認される」とあります。

  佐藤さくら氏は 2008年に田染荘を知り、翌 2009年から今日までトンボの調査を趣味として行ってきました。当年2020年は、田染荘が重要文化的景観に選定されて10 周年にあたります。また別府大学創立70 周年記念ともなる年でもあります。更に別府大学と豊後高田市との「協力協定」の調印式から10 周年になります。これらの節目に田染荘のトンボを紹介できることは、大変幸運なことと存じます。この展示が皆様にトンボを通して自然や生物多様性について考えていただくきっかけとなれば幸いです。

 農村景観とトンボのいる風景は、後世に伝えたい心の原風景です。是非トンボとともに美しい里山の農村景観「田染荘」のことを考えてみてください。


田染荘の魅力を知る動画(豊後高田市教育委員会提供)


田染荘のあゆみ

  • 2001~2007年 田園空間博物館整備事業実施
  • 2007~2009年 文化的景観保存調査実施
  • 2010年1月 田 染荘小崎文化的景観保存計画策定
  • 2010年8月5日 田染荘小崎の農村景観 重要文化的景観に選定
  • 2013年5月30日 世界農業遺産に認定(クヌギとため池がつなぐ国東半島と宇佐の農村水産循環)
  • 2016年10月3日 おおいたの重要な自然共生地域(未来につなごう!多様な生きものをはぐくむ場)に選定
  • 2020年3月11日 重要文化的景観の追加選定


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