【公開講座】第26回別府大学文化財セミナー「岐路に立つ荘園調査」
中世に荘園だった故地を歩き、様々な過去の痕跡を採訪する荘園調査。1970年代末から90年代にかけて、前近代から続く景観が失われてしまうという危機感のなかで、歴史に携わる多くの研究者た荘園の全国的な保存・記録運動を展開しました。
大分県では県立歴史博物館による「荘園村落遺跡詳細分布調査」がおよそ40年に渡って行われました。これだけの長期間、一つの県で調査が継続された例はなく、大分県は、まさに荘園調査の聖地といって過言ではないでしょう。しかし、2024年現在、荘園制や在地社会について研究が重ねられる一方で、全国で行われる荘園調査の減少傾向は明らかです。県内での調査も2021年度でひとまずの節目を迎えました。果たして荘園調査は、このまま衰退してしまうのでしょうか。
今回のセミナーは荘園調査が抱える課題について議論し、未来を考えることを目的に企画しました。各報告では、様々な視点から「岐路に立つ荘園調査」のこれからについて考察していきます。
一般の方もご参加いただけますので、多くの方のご来場をお待ちしております。
(参加費無料・申込不要)
<プログラム>
13:00~13:10 開会のあいさつ
13:10~14:30【第1部】荘園調査の到達点と展望報告①:荘園調査は何をめざし、どこへ向かうのか ー紀伊半島における荘園地域調査の経験からー
高木徳郎 氏(早稲田大学教授)
報告②:「信仰と生業の共同体」検出のための荘園現地調査 ー熊本大学教育学部阿蘇調査の試みー
春田直紀 氏(熊本大学教授)
14:40~16:00【第2部】調査成果活用の方法論
報告③:GISを用いた歴史地理情報のデジタル化と分析
ー国東半島荘園村落遺跡詳細分布調査」の活用に向けてー赤松秀亮(別府大学文学部史学・文化財学科専任講師)
報告④: 荘園調査をベースにした地域活性化 ー日本遺産くにさきの場合ー
松本卓也 氏(豊後高田市教育委員会)
16:10~17:00 討論・質疑
コーディネーター:飯沼賢司(別府大学名誉教授)
- 開催日
- 2024年12月21日 13:00 〜 17:00
- 会場
- 別府大学32号館400番教室
- お問合わせ先等
- 主催:別府大学文化財研究所
共催:科学研究費補助金若手研究「国東半島荘園・公領情報のデジタル化とGISの活用による新たな景観復原方法の確立」(課題番号24K16169)
後援:別府大学文学部史学・文化財学科、大分県地方史研究会、
大分県立歴史博物館、六郷満山日本遺産推進協議会
お問合せ先:別府大学文化財研究所(0977-27-6203)
参考資料
- 「岐路に立つ荘園調査」についてのお知らせ[PDF:1.8 MB]
[投稿日:2024年11月25日]