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初等教育科造形展2016「造形と遊戯性の記憶-「内なる子ども」へ向かう10の表現-」

初等教育科造形展2016「造形と遊戯性の記憶-「内なる子ども」へ向かう10の表現-」

 本学の初等教育科では、今年リノベーションされたばかりの別府市公会堂(建築家の吉田鉄郎氏が昭和3年に設計)にて、「造形と遊戯性の記憶」と銘打って、幼児教育・初等教育を学ぶ学生の造形美術作品展を実施いたします。

 今回は「造形遊び」をテーマとした展示構成といたしました。この「造形遊び」は、保育・幼稚園では、砂場や屋外での子どもの自発的遊びの活動そのものから派生するものであり、まさに形の残らない遊戯性による発見と、その結果としての自由な造形性が顕著な特徴で、教育現場では、砂や葉っぱ、椅子、水、ビニール、石、ダンボール、ロープ、廃材などの「素材」からイメージした、数多くの活動・授業実践が行われています。

 これらの素材からも想像出来るように、子ども達の作品は極めて一過性のものであり、その場にあるあらゆる材料や日常物を使い、子どもの表現活動は展開されます。従来の図画工作のように、紙に描いた絵や主題の決まった工作などの作品観からすれば、「造形遊び」の作品群は、儚く稚拙な印象さえ受けることもありますし、結果としての作品が残るわけではありません。

 自発的な意味での造形的な遊びは、子どもは「作品」を作ろうというという動機で活動を行っているのではなく、例えば、砂場で懸命に作られた泥だんごが結果として破壊され、落ち葉の色遊びが風で散らされ、いつしか消失するように、それは「一過性の造形的遊戯」と言えます。本来、幼児期や児童期の造形・図画工作を貫く核にあったのは、こういった「遊戯性」を主軸とした活動ではなかったでしょうか。そこには、子どもの感性と日常物との偶発的接触による稀有な「一瞬の輝き」があるはずです。
 是非、子どもに関わる学生たちの造形的遊戯としての片鱗をこの機会に鑑賞していただければ幸いです。

企画および文:初等教育科 准教授 吉村壮明

 

開催日
2016年11月8日(火)~11日(金)
備考
12:00~18:00
会場
別府市公会堂 第2会議室スペース(別府市上田の湯)
お問合わせ先等
初等教育科事務室 TEL 0977-66-4544

参考資料

 

[投稿日:2016年10月19日]