「日本中世の雨と水-自然と文化とを繋ぐ回路を歴史のなかに探る-」
自然と人間/社会との関連の理解は、自然科学のみではなく社会科学・人文学においても基幹的な目標です。20世紀末以降、自然科学的方法を用いた環境変動研究によって、過去の気候変動などが詳細に復元され、その射程は歴史時代にも及んでいます。気候と人間/社会の歴史的関係の具体的かつ実証的な分析が俎上に載せられるようになってきました。
そのような研究の多くは、気候と人間/社会との関連を農業その他の生業=食糧生産を媒介として追究する戦略をとっています。これは妥当な方向で、新しい復元データは日本列島の歴史でも有効性が確認されつつあります。しかし、気候と人間/社会との関連が、さらに踏み込んで人間/社会の思想・規範・儀礼にまでその規定性を及ぼす可能性を退けることはできません。この関連性をその有無を含めて理解する問題設定はどのようなものかを問うてもよいでしょう。
今回の講演三人の講師の方々のお話を契機に、進んで環境と社会、自然と文化、コスモスとノモスの関連一般についてまで、様々なアイデアが提起されることを望んでいます。
「日本中世の雨と水-自然と文化とを繋ぐ回路を歴史のなかに探る-」
日 時:2016年11月3日(木・祝) 13:30~17:00(受付13:00~)
場 所:メディア教育・研究センター 4Fメディアホール
※教員・大学院学生・学部学生、また一般来会の皆さんのご参加をお待ちしています。<プログラム>※詳細は、下段PDFをご覧ください
【第1部】 13:30~15:30
◎あいさつ
◎開催趣旨説明
◎講演(各講師30分程度の予定です)
「年輪酸素同位体比を用いた過去の降水量の復元と日本中世史」
伊藤啓介氏(総合地球環境学研究所 プロジェクト研究員)「水災の記憶と徴候」
黒田智氏(金沢大学 教授)「気象のことば -「しぐれ」と「つゆ」と-」
森脇茂秀氏(別府大学 文学部 国際言語文化学科 教授)
◎質疑応答【コーヒー・ブレイク】15:30~16:00
※休憩と参会者・講師間の交流を兼ねて、来会の皆さんに簡単な茶菓を用意する予定です。【第2部】16:00~17:00
◎第1部の講演を素材とした意見交換と討論
- 開催日
- 2016年11月3日(木・祝)
- 備考
- 13:30~17:00 (13:00から受付)
- 会場
- メディア教育・研究センター 4Fメディアホール
- お問合わせ先等
- 別府大学 アジア歴史文化研究 所長 田村憲美 TEL 0977-27-7013(研究室直通)
参考資料
- 「日本中世の雨と水」のご案内.pdf[PDF:250.8 KB]
[投稿日:2016年10月11日]