環境歴史学・文化遺産学コース

コース概要

"書を携えて野に出でよ"
環境歴史学と文化遺産学はフィールドの学問

考古学・文化財科学コース

環境歴史学とは、人間と自然が共存しながら関わってきた「今生きている遺跡」を研究する新しい分野の歴史学で、文化的景観や世界文化遺産につながります。古の時を超えて、今に生きる景観や芸能、行事、風習を現地に訪ね、地域の方との交流や体験を通して、昔の人々の想いや考えを読み解きます。それらの遺産や文化を保存し、後世へと伝えることのできる専門的な知識を持った人材を育成します。文化遺産の宝庫といえる大分県ならではの実地教育です。

コースの特色

日本の原風景を体感

大分県豊後高田市田染荘小崎地区には、中世からの荘園が残っており、現在も稲作が行われています。本コースでは環境歴史学の実習で、毎年田染荘の田植えや稲刈りに参加し、中世から続く景観保全の一翼を担っています。

私の大学生活

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Student’s voice

想像以上にフィールドワーク系!野外に飛び出すことから始まる、今までに触れたことのない歴史学。

環境歴史学・文化遺産学コース 
前畑 芳宏さん
熊本県立湧心館高校出身
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教材に"妖怪"

高校時代には全く学習しない分野なので正直不安でしたが、1年次の「民俗学概論」では、今話題の妖怪たちがスライドで紹介され、"飲み込みやすいなぁ"という印象でした(笑)。民俗学の導入部分でモチベーションが上がったことはその後の実習等に大いに役立ちました。論述型のテストにはビビりましたけど(笑)!

野外を駆け回る学問

座学ばかりではないにしろ、教室の中で学ぶ学問だろうと思っていました。実際には、実習中心のフィールドワークタイプの学問でしたね。国東や竹田に拓本を取りに回ったり、村の住人に聞き取り調査を行ったり、田植えや祭りの手伝いを行ったりと、"民俗学は体力勝負"だと痛感しました。

聞き取り調査の鉄則

聞き取り調査では、聞き取ったキーワード等を完全に理解せず、そのままにしてしまったという失敗がありました。その失敗を教訓に、取材ではメモをおろそかにせず、聞いた話を納得できるまで質問するよう心掛けています。


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Student’s voice

人生の先輩方から"聞き取る"学問。自然とコミュニケーション能力が鍛えられます!

環境歴史学・文化遺産学コース 
樋口 和紀さん
佐賀県立唐津西高校出身
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苦労話から見える歴史

当初イメージとしては、考古学的な発掘調査なども行っていく学問なのではないかと思っていました。実際には聞き取り調査が中心でした。よく話題に上がる内容は冠婚葬祭でしたね(笑)。土葬の時の苦労話など、肉体労働系の大変だった行事は、細かなことまで鮮明に聞くことができますね!

実地に学ぶ

教科書で学ぶ内容もありますが、実物に触り、直接話を聞いていくという実地に学ぶ内容の方がより印象深く残っています。実際に触れて調査した物には、村に残っている古い農具や磁器の皿、中には砲弾もありましたし、お年寄りの方に話を聞いていく中で"嫁"を紹介されたこともありました(笑)!

会話から始まる学問

フィールドワークで実感したことは"世代の違う人との会話スキルの重要性"ですね。外に初めて出たときには会話がぶつ切り状態でしたが、今では一つの話題から別の話題へと話を発展させたり、思わぬ掘り起しができるようになりました。民俗学での調査に加え、社会で役に立つスキルを身に付けることができたと思います。


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Student’s voice

人々の営みの中で生み出された、私たちの生活の中に息づいている"現代に生きる歴史"を探る。

環境歴史学・文化遺産学コース 
吉竹 千穂さん
福岡県立育徳館高校出身
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今まで学ぶことのなかった"歴史"

民俗学では"庶民の歴史・文化を見る"感覚ですね。環境歴史学では"内面的なところから歴史を見る"感覚です。対象の置かれている環境から歴史を取り出すイメージですね。高校までは時の権力者を中心に学ぶ歴史が中心なので、そこが違いだと思います。

ウナギの信仰について研究しています

人間とその周辺の動物との距離感が"文化"であったり"信仰"という形で残っています。私の思う"人と関わりのある動物ランキング"は①ヘビ、②キツネ・タヌキ、③タコですね(笑)。タコは海の生き物ですが、"芋を荒らす"という地域があるんですよ!

様々な角度から調査

民俗学の学びの中では、一つの流れの中で、内側からや外側からといった様々な角度で要因を考えたり調査したりします。フィールドワークに重点を置いているため、頭と体の両方で"体感的"に理解を深めていきます。そのおかげで"物事の視点の切り替え"ができるようになりました。

講義ピックアップ

環境歴史学特講Ⅰ

人間は周囲と自然環境と常に関係を持ちながら、その歴史を刻んできました。この講義では、開発と環境をテーマとし、自然と人間の関係史の観点から九州の地域史を学びます。

環境歴史学・ 文化遺産学実習Ⅱ

民俗調査の歴史的経緯、さまざまな民俗調査の実例をあげて、その具体的な調査方法について学びます。学外授業では、祭礼の現地見学を行います。

専門演習2 (民俗学)

衣・食・住、生産生業(稲作・農耕・狩猟・漁労・鍛冶と金属加工・木工・諸 職・交通・運搬・交易など)などの分野からテーマを設定し、レポートをまとめ、発表を行います。

専門演習2 (環境歴史学)

2010年8月に国の重要文化的景観(景観の国宝)に選定された国東半島にある田染荘の史料を材料に、史料を読解し、内容をまとめ報告できる力を養います。

履修モデル

1年

科目区分 科 目
教養科目 基礎ゼミ ◎導入演習(史学・文化財) ◎基礎演習(史学・文化財)
学際科目 ◎大学史と別府大学 ◎キャリア教育Ⅰ
◎市民生活とアーカイブズ
コア1 ◎文学 ◎日本文化史 ◎心理学Ⅰ
◎体育実技Ⅰ ◎体育実技Ⅱ
コア2 ◎法学(日本国憲法) ◎国際文化論1 ◎社会生活概論
コア3 ◎生物学
コア4 ◎情報リテラシーⅠ ◎情報リテラシーⅡ
コア5 ◎英語1 ◎英語2 ◎中国語コミュニケーション1
◎中国語コミュニケーション2
専門科目 共通専門科目 ◎美術史概論 ◎日本史概論1 ◎世界史概論1(西洋史)
◎考古学概論 ◎文化財科学概論 ◎世界遺産学概論
◎民俗学概論 ◎環境歴史学概論

2年

科目区分 科 目
教養科目 学際科目 ◎インターンシップⅠ
コア2 ◎社会学 ◎情報文化論
コア5 ◎英語3 ◎英語4
専門科目 共通専門科目 ◎博物館概論 ◎視聴覚教育メディア論
◎地理学概論 ◎生涯学習論Ⅰ
演習科目 ◎発展演習1(史学・文化財学)
◎発展演習2(史学・文化財学)
学科専門科目 ◎環境歴史学講義1(環境歴史論)
◎環境歴史学講義2(環境歴史地理論)
◎文化遺産学講義1(民俗資料論)
◎文化遺産学講義2(石造文化財資料論) ◎文化財保護論
◎環境史 ◎世界遺産学特論 ◎環境植生論

3年

科目区分 科 目
教養科目 学際科目 ◎キャリア教育Ⅱ ◎まちづくり特論
専門科目 共通専門科目 ◎まちづくり特論
演習科目 ◎専門演習1(環境歴史学) ◎専門演習2(環境歴史学)
学科専門科目 ◎博物館実習 ◎美術工芸論
◎歴史地理 ◎人類学総論
◎宗教史 ◎博物館各論Ⅰ(博物館資料論)
◎博物館各論Ⅱ(博物館情報論・経営論)
コース専門
科目
◎環境歴史学・文化遺産学実習Ⅰ(村落遺跡調査法)
◎環境歴史学・文化遺産学実習Ⅱ(民俗学調査法)
◎民俗学特講 ◎環境歴史学特講1 ◎環境歴史学特講2

4年

科目区分 科 目
専門科目 共通専門科目 ◎地方行政論 ◎地方自治論
演習科目 ◎卒業演習1(環境歴史学・文化遺産学)
◎卒業演習2(環境歴史学・文化遺産学)
コース専門
科目
◎環境歴史学・文化遺産学実習Ⅲ(伝統的修復法)
◎観光地理学特講
◎卒業論文