司書講習について

図書館情報学教育の開講形式

 司書資格付与を目的とする図書館情報学科目の開講形式は次のようになっています。

(1)
専門教育(図書館情報学を主専攻として専門教育を行う)
(2)
司書課程(主専攻とは別に副専攻として図書館情報学科目を開講する)
(3)
司書講習(図書館情報科目を短期集中講義形式で開講する)

 司書や司書補の資格を取得するには上記の中からいずれかを選ばなければなりません。
それぞれに特徴がありますのでよく確かめて自分にあった方法を選びましょう。

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司書講習の経緯

 1950年4月図書館法成立。その翌年の6月から第6条に規定する司書講習が開催されました。
第1回の講習は、東北大学・東京大学・慶應義塾大学・名古屋大学・京都大学・九州大学の6大学を会場に開催されています。その後1955年まで、全国の国立大学で順次開催。合計46回の講習で6000名以上が受講しました。この講習が、おもに私立大学において文部大臣の委嘱を受けて開催されるようになったのは1956年からです。
本来この講習は、図書館法の公布に伴って必要となった司書及び司書補の資格を、公共図書館の現職者に取得させるための5年間の暫定講習として始められたものでありましたが、現職者以外の資格取得の場ともなりその後も継続されて今日に至っています。
別府大学の司書講習は、1961年に始まりました。第1回の講師陣を見ると、福岡県立図書館長菊池租、同志社大学講師小野則秋、東京大学助教授裏田武夫、徳島県立図書館長蒲池正夫、宮崎県立図書館長日高一、鹿児島県立図書館長久保田彦穂(職名はいずれも当時)などわが国の図書館界に大きな足跡を残した諸先生方が名を連ねています。このような斯界の権威を結集した講師陣は、別府大学司書講習の伝統として今日まで引き継がれています。

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司書・司書補の資格取得の方法

 司書・司書補の資格取得の方法について図書館法第5条は以下のように規定しています。

第5条 次の各号のいづれかに該当する者は、司書となる資格を有する。

大学を卒業した者で大学において文部科学省で定める図書館に関する科目を履修したもの
大学又は高等専門学校を卒業した者で第6条の規定による司書の講習を修了したもの
次に揚げる職にあった期間が通算して3年以上になる者で第6条の規定による司書の講習を修了したもの
司書補の職
国立国会図書館又は大学若しくは高等専門学校の附属図書館における職で司書補の職に相当するもの
ロに揚げるもののほか、官公署、学校又は社会教育施設における職で社会教育主事、学芸員その他の司書補の職として文部科学大臣が指定するもの

(2)次の各号のいずれかに該当する者は、司書補となる資格を有する。

司書の資格を有する者
学校教育法(昭和22年法律第26号)第90条第1項の規定により大学に入学することのできる者で第6条の規定による司書補の講習を修了したもの

 司書講習を受講するか、大学で図書館情報学科目を履修するか、二つの選択肢が示されています。2011年度の司書講習開催大学は13校。修了者の合計は1,302名です。毎年新たに資格を取得する方は約1万人といわれていますので、そのうち1割以上を司書講習が占めていることになります。受講希望者は毎年わずかであるが増加の傾向にあり、それに応じて新たに講習を開催する大学もあらわれています。

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司書・司書補の講習

図書館法第6条は司書・司書補の講習について次のように規定しています。

第6条 司書及び司書補の講習は、大学が、文部科学大臣の委嘱を受けて行う。

(2)
司書及び司書補の講習に関し、履修すべき科目、単位その他必要な事項は、文部科学省令で定める。ただし、その履修すべき単位数は、15単位を下ることができない。

 文部科学大臣の委嘱を受けて行う司書講習では、カリキュラム・科目・単位は省令のとおりに実施されなければなりません。したがって委嘱を受けた大学であればどこで受講しても基本的に講習内容は同じです。その点、図書館情報学の専門教育や司書課程の大学は、省令に準拠しつつも独自のカリキュラム・科目・単位を設けることが可能です。

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司書講習の特徴

(1)
ハードな講義日程であるが、短期間で資格が取得できること

 司書講習は約2ヶ月間の集中講義形式で開講されています。期間はどこの大学も大体夏期休暇中です。2ヶ月間で20単位の講義・演習を行うためにはどうしてもハードスケジュールは避けられませんが、短期間の講習だからこそ資格が取得できたという声も聞きます。

(2)
夏休みを利用して開講されるために受講しやすいこと

 司書課程をもたない大学の学生にとって、夏期休暇を利用できるのは便利です。別府大学の場合、北海道、北陸、沖縄など遠隔地からの受講者が多いのですが、その多くは夏休みを利用してやってくる大学生です。

(3)
司書講習は多様なバックグラウンドを持つ人材を対象にすることにより、図書館情報学だけに偏らない幅広い知識と視野を持つ司書を養成できること

 司書講習の最大の特徴はこの点にあると思います。多様なバックグラウンドには学歴だけでなく職歴も含みます。受講生のなかには、大学卒業後いったん企業などに就職するものの何かの理由で退職。そして司書講習で資格を取得し図書館に職を得るというパターンが結構多いのです。

(4)
学習態度は非常に熱心で意欲的であること

 これは司書課程の学生と比べて顕著な特徴です。学外から招聘する講師も例外なくこれは認めています。明確な目標を持ち自主的に受講していることが、このような学習態度に反映しているのではないかと思われます。

(5)
集中講義形式のため科目の履修順位が効果的に配置できること

 司書講習では授業は1科目ずつ集中講義形式で行われます。そのため科目の履修順位を系統的に配置することでより効果的な授業展開が可能になります。

(6)
講師は学内だけでなく学外からも招聘することで科目ごとに最適任者を全国レベルで選べること

 講習を行う大学の多くが学外から講師を招聘しています。科目ごとに最適任者を招聘し講習の充実をはかろうとしているのです。一人か二人の専任教員で司書課程科目のほとんどを担当せざるを得ない大学司書課程に比べると司書講習は恵まれているといえるでしょう。